非常照明の接続数
こないだ兄がダウンライト100個一日で付けた!と言っておりました。
ちょっとスケールがでかすぎて1.6mm電線100Vで100個もつくんだっけ?とズレた疑問を持ってしまったので調べて居たら、第二種電気工事士の試験で必ず出る問題に行きついて「実務って大事・・・」とあたらめて感じました。
一般的な室内配線
まず戸建ての一軒家は600V30A位の電気が分電盤まで来ています。
分電盤の中に分配器を配置して(100V20Aにしてくれる小さなブレーカー)各お部屋に2.0㎜の電線を使って渡らせて、そこから1.6mmの電線でコンセントを一部屋に3~4個取るのが一般的、お部屋のメイン電灯のシーリングライトも1.6㎜電線で分岐して直接電力を供給しています。
お部屋にダウンライトを配置する場合もこの配線から電力を供給するのですが、1.6㎜電線は15A位が目安なので1500Wの電力内なら過剰にならず、部屋に届ける2.0㎜の電線も20Aが目安なので2000W迄問題なく使用できます。
肝心のダウンライトの電力が60W位とすると10個付けても600Wなので付くには付くけど、プレステ5とテレビを付けると400W位なのであと500Wしか使えなくなります。
100V1.6㎜で何個ダウンライト付くのか?
ここで最初の疑問に戻ると、10個付けて600Wだけど、電灯同士の距離が1mから1.5mとすると、10個で10m以上の距離になって、往復だと20m以上、こうなった場合電圧降下の距離を考える必要が出てきます。
1.6㎜の電線の1m当たりの抵抗は0.022Ωなので距離が10mで0.22V電圧が下がります、距離は往復になるので20mだと往復で40mになって0.88V電圧が降下します。
20mの廊下なら一つのブレーカーから取っても電圧降下範囲内になるので大丈夫です。
許容降下電圧が3Vで有れば50m(往復100m)でも大丈夫と言う計算になります。
次に電力ですが、最近のLED電灯は性能が素晴らしく60W相当の明るさが40W位で出るようです、1500W÷40Wなら37.5個つまり電灯間隔1mで37個設置、38m(76m)電圧降下76m×0.022Ωで1.67V降下(電圧降下範囲内)と理論上可能と言う事になります。
実際は・・・
30m先まで電線を迄伸ばす事はしないで、ブレーカーを一つ増やし、15m先に一旦伸ばして2系統作る事で管理をしやすくするのが正解で、1区画、1区切りなど区画や区切りのいい所で系統を増やして、一つの問題で全部切れる事が無いように配線するのが望ましいです。
改めて計算してみると理論上は結構いける事に気が付きますが、長期間管理するとなると、うまく系統を作る事が賢いという事です。