3類の点検
消防設備士3類取得に向けて勉強中ですが、ガス消火設備の点検作業補佐をさせて頂いたので次回に向けて残して置きたいと思います。(点検資格者は保有してます)
作業ポイント
ガス消火設備は基本的に窒息効果により酸素を遮断し消火する設備です、ゆえに人がいれば同様に窒息、もしくは中毒により命を奪われる危険な消火設備です。
常時人がいない防火対象物で使用されますが、焼失による損害を防ぎたい美術品や保存資料などの保存室でも使用されます。
一番危険なガスは二酸化炭素ガスですが、近年ではハロン等のガスに置き換わって若干安全性は高まっていますが、ハロン放出でも酸素濃度が下がるので危険です。
前置きが長いですが、「点検中にガスを放出する事のない様に準備をする」これが作業の一番のポイントになります。
確認ポイント
今回はハロン1301のガス消火設備でした、まずはガスが保管している管理室へ向かいます。
ガスは放出用と起動用が各防火区域ごとに用意されています、まずはそれぞれのボンベを配管から取り外すことで点検中ガス放出を防ぎます。
放出用ガスボンベは面積に応じた量を放出できるよう大型のボンベが設置されています、対して起動用は起動ガスのみなので5Kg程度のボンべがセットされています、それぞれ接続された配管より外していきます。
次に操作盤と警報盤を遮断していきます、操作盤は手動と自動があり自動のままだと感知器発報で起動してしまうので手動へ切り替えをします。
それぞれの表示、配管を確認しガスが放出しない様準備を行います。
作業手順
実際の点検作業では、ガス消火設備の設置している区画をそれぞれ回りながら、現地で起動・非常停止・音響・放出表示灯(個数)を確認していきます。
ガス消火設備は受信機では表示が防火区画しか表示されないので、ガス消火設備用の受信機にて起動・放出・放出表示を並行してチェックしていきます。
現地では操作盤を開けると同時に避難の放送が発報します、その状態で放出ボタン・及び非常停止ボタンの反応を確認した後放出表示を受信機で出して表示をチェックして回ります。
受信機では、表示板にて警報音と起動確認を行い、放出ボタンを押した後21秒で放出が始まりますのでそのタイミングでソレノイドと言う機器が作動し起動用ガス放出の為針が飛び出します。
ソレノイド起動後、放出表示灯の起動を手押しで行い現地での表示を確認させます。
現地と受信機でそれぞれ確認できましたら復旧作業に入ります、現地では起動の為開けたカバーを復旧させます、受信機では起動したソレノイドをレバー等で復旧させ、表示復旧を確認し次の確認に向かいます。
まとめ
電子機器や電源設備、貴重な文書などの保存に対し非常に有効な消火設備ですが、酸素を遮断して消火する為に酸欠の危険が伴います(二酸化炭素は数秒吸い込むだけで命の危険が有ります)
確実にボンベを外し、ガスが放出されない様にするのも大事ですが、点検開始のタイミングなども全員と連携し、ガス設備まだ止めてないのに感知器を炙る事の無いようにしていきたいと思います。